28期29期OB 伊藤 匡伸氏インタビュー

2023年1月8日 聞き手(張宇新 / 趙嘉納)

参加歴

2009年第28回日中学生会議参加者(地球環境分科会)

→新型インフルエンザにより開催中止となり、勉強会のみ実施

2010年第29回実行委員(経済格差分科会)

→中国開催

プロフィール・経歴

東京大学文科一類中国語専攻

伊藤忠入社

・中国向けに農産物の輸出業務に就く

・過去日本政府に出港し日本産の農林水産物を増やす業務や政府間の規制の交渉、直近の輸出状況の分析業務に携わる

日中学生会議に参加したきっかけ

大学の校舎に貼ってあったポスターを見て知り、中国に興味があったので向こうの学生と交流する機会があるならと思い参加しました。また、中国語を勉強し始めたきっかけは当時中国の経済成長がすごく、どんな仕事でも今後中国との関係がものすごく重要になると思ったからでした。

分科会について

当時私は格差拡大に興味を持っていて、中国の経済格差が激しかったこともあり経済格差分科を設定しました。その頃の中国政府のスローガンとして「社会の和解」というのが掲げられていて、議論のメインは「経済格差は許容できるのか」というものにしました。

議論前は、日本側の意見は「格差を是正しなきゃいけない」、中国側の意見は「多少の格差は許容されるべき」という仮説を持っていましたが、実際対面で話してみると意外にも「格差を是正しなきゃいけない」という大まかな意見が一致しました。

本会議中の思い出

泊まっていた大学のグラウンドで夜遅くまで飲んだり、語りあったりしたことが一番の思い出です。

委員として大変だったこと

渡航後の本会議はスムーズでしたがそれまでの準備が大変でした。当時北京と広州に実行委員がいて、北京の代表と開催前3ヶ月間音信不通という緊急事態が起こりました。そのため開催直前に1週間北京に渡航し向こうの代表と直接会議をしました。

その他にも一番感じたのはコミュニケーション不足でした。それにより分科会内で話したい議論テーマがずれていたりなど問題が起こり、日本側と中国側間のみならず、関東と関西の委員の交流をもっと増やすべきだったなと、コミュニケーションの大切さをとても感じる期間でした。

日中学生会議がもたらしたもの

一番感じるのは行動力がついたことです。本会議前に実際北京へ渡航した時など、お金と時間をかけて足を運ぶことで話さなくても熱意や伝えたいことが相手に伝わるというのを実感しました。

参加者へのメッセージ

難しく考えず、興味があったら参加してみてください。

政治など難しいトピックの前提知識がなくても全然大丈夫なので、迷ったら参加して人との交流を楽しんでみて欲しいです。